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鉄路さんちのあきれたある日

私は、鉄路ひびき 妻はさくら、長男はひかり 長女はのぞみ、次男はこだま

次女はあずさ

どっかで聞いたような名前だけど?

そうです、私の家は実は6人家族のどこにでもいる平凡な家族です、ですが変わっているのが名前が全部特急列車の名前です。

あと、家には猫が二匹いるのですが、それぞれ急行・準急と読んでいます。

私の次女あずさが

「お父さん猫って可愛い名前つけたかったの、たとえばミオとかさ」

「だってミルクとか上げるときに、急行、準急こっちおいでっていうんだもの、可愛くないよ」

とかなり不満顔です。

「それにさあ、ミオとかにゃん吉とかつけておけば、ミルク上げるときでも同じにニャーといってくるのに、なんか私見てると白猫の急行が早いのよね、茶のぶちの準急遅くてさ」

次男のこだまが

「そりゃ、無理だよ、急行のほうが早いの当たり前じゃねえか」

「準急こっちおいで可哀想」

といってあずさは自分の胸に小さな茶のぶちの猫を抱きかかえています。

「変わった家族、あんたの家、どうなってんの」

わかりました、では早速我が家を説明しましょう。

私の部屋、妻の部屋、それに4人の子供の部屋にそれぞれプレートがあって私はひびき1号車、妻はさくら2号車、子供たちはひかり3号車という風に特急列車と号車数が張ってあるのです。

朝、父がベッドから起き上がってマイクを取り上げて

「おはようございます、ただいま6時30分を過ぎております、列車はただいま品川を通過しましてあと10分ほどで東京終着駅に到着でございます。

どちらさまも起きてお折りのご支度をお願いします」

これがみなの部屋の天井のスピーカーから聞こえてくるのです。

ああ、こんな具合で、1階のテーブルは椅子が6人分あるのですが、その座るテーブルに1番線、2番線、3番線と書いてあります。

「お父さんの鉄道好きにも困っちゃうなあ、もうちょっと寝てたいんだけど」

長男ひかり君がぼやいています。

妻のさくらは、毎日少し遅れるようですがそうすると父はすぐ

「ああ、お客様に申し上げますが、2番線に到着する特急さくらは少々遅れて到着します、あと5分ほどお待ちください」

と私がテーブル脇のマイクを握っていうのです。

私は、このように朝の起きる方法を変えてからみないやいやながらもきちんとあまり遅れずに起きて朝ご飯を食べるようになってくれました。

ところが、妻が味噌汁を皆に注ぎながら

「あら、今日、日曜日じゃないの、あなた会社あると思ったのでしょう」

とクレームを私につけました。

そこで私はすぐに

「お客様に申し上げます、本日休日ですので7時50分・55分の電車は運休させて頂きます」

というのが妻があきれて

「いい加減にして、あなた、私の名前はさ、さくらだから特急列車、東京ー長崎間のあれでいいけど、あらいつのまにか覚えちゃったわね、子供たちの名前はなんなの、長男は大樹、長女は麻里、次女は

香織、次男は史郎とつけたかったのに」

そういわれると私はしばらく

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

です。

それで、みなの機嫌が悪くなっていけないので、

「どうだい、たまにはドライブにいこうじゃないか、ヨコハマから足を伸ばして鎌倉というのは」

妻の顔がぱっと明るく輝いて

「あなた変人と思っていたけど、たまにはドライブ素敵じゃない、行こう、行こう」

と子供のように手をたたいてはしゃいでいます。

さあ今日の朝の食事は、妻の手作り野菜サンドイッチに、とうもろこしスープ

野菜サラダに、マンゴージュース、まずまずのカロリー充分、ダイエット食です。

「さ、そろそろ車を出そうかなあ」

そういって私はドアーを開けてガレージのワゴン車に向かいます。

次男も着替えが済んで私の側に来ました。

車の点検が大切です、事故を起こさないためにも

「バンパーよし、バックミラー位置よし、右タイヤ一番タイヤ圧力良し、左タイヤ圧力良し」

と指差歓呼

次男が私を見て

「また、お父さんの癖がはじまった」

と半ばあきれ顔です。

間もなく妻さくら 長男ひかり、長女のぞみ 次女あざさが皆思い思いの格好をして出てきました。妻は、子供のようにはしゃぎながら

「うれしい、久しぶりの皆揃ってのドライブで」

手にはバスケットを持っているようです。

私は、リモコンでドアが開くように操作をすると皆、車に乗り込みます。

ワゴン車なので椅子の伸縮を調整し乗車は終わります。

「よし、皆乗ったなあ、ところでお前たちは何選ぶ」

妻がびっくりして江ノ島でしょう?」

と聞くのです。

「いや、そうでなくて、特急。快速。各駅停車」

「はっ、なんて」

妻はあっけにとられます。

「いや、特急は江ノ島までノンストップ」

「いやだ、ヨコハマに寄るって行ったでしょう」

「わかった、ほかによりたくないか」

妻は

「じゃ、各駅停車は」

「ああ、これね、近くの公園で休んで、駅前のMACで、それからトイレの前で、ええと」

妻はびっくりしています

「ヨコハマだけ寄って、久しぶりに中華街に寄っていこうよ」

「ねえ、ちょっと聞くけど普通だとドレぐらい掛かるの」

「まあ、江ノ島までだと6時間ぐらいかなあ」

妻は

「いい加減にしてよ、それじゃついたときはもう午後過ぎじゃないの」

私は、

「じゃ、急行だなあ、わかった」

と運転台の右側のスイッチを押すと、駅の発車メロデーが車の天井の明かりが点滅しながら、奏でています。

以下続く

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コメント

おもしろい物語ですね。

渥美清主演の映画「喜劇 急行列車」を思い出しました。東京車掌区のカレチを務める主人公は特急さくらに乗務していることを誇りに思い娘にもさくらと名付ける。娘が「芸者みたいな名前で嫌だ」と言っても「さくらは国鉄の数ある列車の中でも第1列車なんだ」と取り合わない。
こんなストーリーだったと思います。
かつては国鉄マンをモデルにした物語が数多くありましたね。

投稿: サットン | 2008年7月 2日 (水) 19時26分

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