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鉄道小説「山手線」未完

2006_0725new11030099

東京の大動脈、一周45分の環状線「山手線」始発電車から終電車まで朝・昼・夜いろいろな人が利用している。そこに色々な人間模様が見えてくる。「山手線」は、運転士の歓呼・車掌・女性テープの案内・駅の案内などを忠実で究極の真面目な鉄道を再現させたい。一方それとは対照的に朝・昼・夜と時間でどんどん変化していく自由な乗客の回顧・独り言・複数以上の会話、それは断片的なものであるかも知れないがともかく「山手線」は今日も色々な人々を乗せて走る。
ここに出てくる山手線は実在しますが物語はドキュメントであり登場人物は実在しません。


冬の明け方、吐く息が白いそんな寒さを運転士の田崎祐司は大崎電車区のまだ眠りについている電車に今日の乗務をするためE231-090の点検に掛かった。
「皆E231に変わったなあ、僕がかわいがっていた205ー340は元気に働いているだろうか」
田崎が15年も運転していた205系も取り替え時期が来てかなりの車輌が仙石線に配属換えされたのだった。E231系は205系の次世代電車と云われているが山手線に配属されてまだ3年目だった。
低い声でつぶやきながら電車の足回り下を覗いた。1輌ずつ見回りながら11輌最終車輌にきたとき車掌の森下光男にあった。

「おっご苦労さま」
「田崎先輩よろしくお願いします」
「こちらこそ、今朝はやけに寒いが頑張っていこう」
田崎は最近白髪が目立つ髪の毛を気にしながら帽子を脱いでかぶり直し、あご紐をきりりとしめた。森下が乗務員室のドアの取っ手に手を掛けて鍵を回して戸を開けて田崎もそれに続いた。

森下がパンタグラフのスイッチを押してあげるとモーター音周りだし室内灯が点灯し張り詰めたような冷たい空気が流れる車内を歩いて11両目を歩き先頭車車輌E231ー030に戻り、乗務員室のドアを鍵で開けて運転士室に入った。
これから眠っている車輌に息を吹き込んで電車を走らせると思うと一瞬緊張するのだった。マスコンのスイッチを入れブレーキ、加速・減速がスムースに動くかをテストした。圧力計に次いでパンタグラフの昇降テストのあと、さらにATC作動テストと相次いで行った。

一方、車掌の森下は最後部車E231ー053の乗務員室の鍵を開けて車内に入り、ドア開閉のテストを行った。次いで案内放送のテープのスイッチを入れた。女性の声で「次は池袋です。埼京線・湘南新宿ライン・西武線、東武線、東京メトロ丸の内腺・有楽町線はお乗り換え・・・・・」
森下はスイッチを切った。
「大崎なのになぜ池袋」
そう思いながら駅名案内を品川になるように調節した。
すでに大崎駅では始発電車に備えて通り抜けの通路のシャッターを開けて、切符の自動販売機も作動するようにスイッチを入れられていた。

駅のホームでは、
「おはようございます、本日もJRをご利用くださいましてありがとうございます。間もなく始発電内周り、品川・新橋・東京・秋葉原・上野方面行きが2番線に入って参ります。危ないですから黄色い線までお下がりください」
時計は4時20分を過ぎていた。さすがにまだ電車を利用する乗客は少なく肩にかごを掛けた築地市場のせりに出かけるジャンパー姿の仲買人、職人が目立った。

その中にすし善の矢田純蔵もいた。始発電車はライトをつけてしずしずと大崎車輌区側から2番線に入線してきた。
「大崎、大崎です。2番線の電車は始発電車、4時29分発品川・新橋・東京・秋葉原・上野方面行きです」、
乗客が電車に乗り込んだ。冬の車内は暖房が入れられたとはいえ寒々としていた。矢田も座席に腰掛けたものの座席の下のパネルヒーターに足を寄せて暖を取ろうとしていた。

「おはようございます。本日もJR山手線をご利用くださいましてありがとうございます。この電車は外周り品川・新橋・東京・秋葉原・上野方面です。なお運転士は大崎車輌区の田崎祐司・車掌は森下光男です」
とテープを使わないで乗客に放送した。ミュージックサイレンが鳴り、駅のホームの女性の案内放送が
「2番線のドアが閉まります」
と優しい声で案内した。
田崎は前方をじっと見つめていた。まだ、闇に包まれて3灯式信号機の表示が赤から注意、そして緑に変わった。
「大崎定発」
「信号よーし」
「出発進行」
「場内制限15」

電車は構内を過ぎると
「制限解除、速度60」
田崎は次々と喚呼してコントロールレバーをゆっくり手前に引いた。電車は早くなりVVVS方式の独特の音をさせながら走行した。そうそう、これも放送しなければ、車掌の森下はマイクを握ったまま
「お客様にお願いします。車内でのケータイ電話のご使用は優先席近くでは電源を切ってご使用はご遠慮ください。なおそのほかの車内でのご使用はマナーモードでご使用くださいますよう、みなさまのご協力お願いいたします」
森下はそう言い終えるとマイクのスイッチを切った

座席に腰掛けて居るすし職人は昨日のことを想いだして居た。というのは息子の大輝が勤めて居た会社を辞めて家業の寿司屋を継ぐというのだった。矢田は息子が自分の店のあとを継ぐと云ったことを喜んで居たのだった。中学を出て直ぐに寿司やに奉公して辛い寿司職人の修行をして35歳の時やっと独立してお客にも恵まれて寿司屋のほかに海鮮料理レストランを別に持って居た。

最初は息子の云うことを信じて居た。息子にしっかりした寿司職人になってほしっかったし、あとを継ぐと云うからには自分がさんざん苦労して覚えた技を息子大輝には苦労しないで覚えてほしいと大変な力の入れようだった。寿司のネタは築地市場に朝早く起きて出かけて誰よりも新鮮な材料を仕込んでくるのが一番大切だと考えていた。それで息子の真一を最初の朝に起こして築地の市場に連れて行った。

「真一、今から一緒に寿司ネタ仕入れに築地にいくからおまえも起きてついて来い」
と寝ている真一に声を掛けた。真一は、
「お父さん、今何時」
と云いながら隅の時計を見た。
「わっ、俺堪忍してよ、せっかく爆睡してんのに」
「何をいってんだ、真一今日から寿司やになるんだろう、さあ起きて起きて」
「わかったよ、起きるよ」
真一は不承不承起きて顔を洗い、歯を磨きブルゾンを羽織って父について行った。しかし、それ一回だった。母の桃子は、
「真一が会社を辞めてまで跡を継ぐと行っただけでも、なかなかお父さんの職を継ぐなんて云う子はいないよ、あまり厳しくすると真一が逃げるわよ」
と同情して云うのだった。
「まあ、しょうがないか」
矢田はそれ以上何も言わず寿司ネタの仕入れはしばらく一人ですることにした。

「次は品川です、東海道線・総武横須賀線・京浜東北線に京浜急行線それぞれ次の品川でお乗り換えです・・・Soon will be maked berief stoped Shinagawa toukaidou Line・・・・」田崎は
「制限60」
「制限50」
「品川停車」
そういってマスコンレバーを手前に少しずつ戻した。
電車は緩やかにスピードを落とし品川駅1番線ホームに滑り込んだ。

品川駅では今日一番の始発電車に乗り込もうとしていた人たちが待機していた。
島本秀夫もその一人だった。島本は昨日、遠藤部長が札幌支店長に転勤するために開発二課全員が出席して送別会をホテルで行ったあと、同僚4人と酒場で飲んで、つい山手線の最終電車に乗り遅れたのだった。やむを得ず駅前のビジネスホテルに宿泊し、そのまま会社に行こうと思ったのだが、いったん巣鴨の自分の家に帰って朝食たべてきちんと身支度をそろえて丸の内の会社に出勤しようと考えを変えた。妻にもケータイで
「今夜は遠藤部長の栄転の送別会があって、多分遅くなるから先に寝ていて、じゃあ」
とホテルの会場で話して以来交信しなかった。身を突き刺すような張り詰めた空気で遠藤は酔いが醒めて
「家ではさぞ心配してるだろうな」
と云った。時計を見ると4時25分だった。遠藤は鞄の中からケーターを取りだして電源を入れて局番を入れたが
「まだ、4時30分過ぎだし反って寝てる妻を早朝から起こしては逆効果だ」
そう考えながらケータイを元の鞄にしまった。電車は始発電車なのでほかのJRや私鉄の京浜急行の連絡待ちのせいか品川駅に止まっていた。そのとき地下の階段から人の塊が車内になだれ込んできた。田崎はじっと前方を見つめていた。前方彼方に一筋の光が見えたと思ったらヘッドライトを二基つけたE231の内回り電車だった。

「お待たせしました。1番線のドアが閉まります、次は田町です」
女性の駅アナウンスに促されるように
「品川4分延発」
「制限30」
「出発進行」
マスコンのレバーを手前に引くと再び電車が動き始めた。制限速度30キロを維持しながら構内を離れると
「制限解除」
「速度90」
田崎は思いきってマスコンの位置を5まで引いた。時速90キロ、山手線内で唯一の高速運転が出来る区間だった。

右側には広い品川車輌区があって、113系に変わって東海道線のE231系をはじめ 211系、ダブルデッカー車のE215系をはじめ遠くには九州・山陰の寝台特急がまだ構内の照明灯に照らされて眠りについていた。
品川から田町までのこの区間は山手線でも約2キロ以上の最長距離区間であるが京浜東北・山手・東海道腺に新幹線と列車が頻繁に走ってくるめまぐるしい区間ではあるがまだ午前5時前ではほとんどその列車の姿も見えなかった。
「あのラッシュアワーのすさまじさが嘘のように静かだ」
田崎はそう思った。

「間もなく田町です。都営三田線・浅草線・都営大江戸線、はお乗り換えです。この電車は次は浜松町に止まります」
5両目に乗っていた経営コンサルタントの石塚健一郎は、眠い目をこすりながら「次は浜松町だなあ、北海道の札幌日帰り出張はきついよな」
書類を鞄から出してページをめくりながら、
「何とかしてこの案で了解してもらわないと」
低い声でつぶやいた。彼は同僚の増本と空港で逢って、羽田発6時全日空102便札幌経由で千歳空港に向かうことになっていた。

「田町停車」
田崎はマスコンレバーを停車にブレーキを掛けながら徐々に減速させて停車位置に寸分の狂いもなく停車させた。
「田町です。ご乗車ありがとうございます」
「2番線の電車のドアが閉まります」
電車のドアが閉まると田崎は
「田町3分延発」
「制限60」
と歓呼してマスコンを手前に引いて電車は次第にスピードを増した。
「間もなく浜松町です。東京モノレール、羽田空港方面は次の浜松町でお乗り換えです」
「浜松町です。ご乗車ありがとうございます」
そのアナウンスを聞いてコンサルタントの石塚は鞄を右手に持ってドアが開くのを待ってホームの外に出て行った。田崎は運転表の時刻と実際の時間を時計を見ながら
「やれやれまだ2分延発か、遅れを戻すのは大変なんだよな」
低い声で言った。

「浜松町2分延発」
「出発進行」
「制限60」
「信号よ~し」
指査喚呼を行いながら電車は新橋に向かって走行した。
「間もなく新橋です。東京メトロ銀座線、都営地下鉄線、ゆりかもめ線においでの方はお乗り換えです。新橋の次は有楽町です・・・・・」 
新橋汐留口の高層ビルもまだ眠りについていた。

「おっと、新橋か」
座席で居眠りしていた寿司職人の矢田は眠そうな目をこすりながら、その放送に促されて「今日はいい寿司ねたが手に入るぞう」と心の中で思いながら立ち上がってドアの開くのを待ってホームに降りた。
「新橋です。ご乗車ありがとうございます」

さすがに新橋で降りる人は多かった。今まで車内のあちらこちらにぽつんと腰掛けて居た人が新たに乗ってきた人で座席がつながって人がこしかけるようになった
左の窓から見る霞ヶ関までのビルも暗く、ただ街路灯と自動車のテールライトだけが延々と続いていた。
「1番線のドアが閉まります。次は有楽町に止まります」
ドアがプッシュと言って閉まった。
ピンポン・ピンポン・ピンポンと3点のチャイムが鳴ると
田崎は
「新橋2分延発」
「出発進行」
「制限60」
マスコンを手前に引くとたちまち60キロになったが前方に有楽町駅がもう見えてき
た。

わずか1,1キロの区間なのでマスコンを元の位置に戻し直ぐにブレーキを掛けて減速していくらかカーブした有楽町駅に入らねばならずベテラン運転手でも難しいといえる区間なのだ。
山手線は全32駅ありどこの区間も駅間距離が短く、一駅平均1,08キロと中央線31駅平均1,8キロ、総武線21駅、2,8キロに比べても短かった。
「有楽町ご乗車ありがとうございました」
田崎はマスコンをニュートラルの位置に戻し外を眺めた。

かってのデートの場所であり、有楽町で会いましょうといった有楽町広場は大きな変貌を遂げたなと思った。
そごう百貨店が撤退し、そのあとに大型家電店が進出していた。
ここから丸の内に掛けてはオフィスビルが同じ高さで立っていたが再開発と土地の有効活用で最近は一部高層ビルに模様換えしようとしていた。
ドアが閉まり、田崎がマスコンを手前に引くと電車は加速しすぐに東京駅に到着するのだった。

東京駅ではそこでは、昨日東海道新幹線の関ヶ原付近で吹雪となり、相次いで列車が立ち往生し最終新大阪発ひかり号が夜中の12時30分頃到着し、列車ホテルに泊まった乗客が今日最初の始発電車に乗り込もうとする人が多かった。
時計は4時44分を指していてまだ闇のとばりに包まれていたが209系の京浜東北線が右側のホームに滑り込んできた。
「間もなく4番線に山手外回り、秋葉原・上野・田端・池袋方面 行きが到着します。危険ですから黄色い線までお下がりください」

中央線・京浜東北線・山手線・東海道線・東海道・東北・新潟・長野新幹線に地下には総武・横須賀線・300メートル離れて京葉線、さらに東京メトロ丸ノ内線と日本一過密な東京駅は1日105万人以上の利用客を擁していたがまだ冬の朝は遅く夜があけるためか静寂さを守っていた。
しかし、そろそろ九州からの寝台特急が到着する頃で今日も東京駅はまた活気を取り戻そうとしていた。

田崎の運転する電車が到着し、ドアが開くと
「昨日は東海道新幹線が雪のために大幅に遅れてご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」
と特別に放送していた。
京都の岸谷涼子もその一人だった。
涼子は高校時代の友人が結婚するので久しぶりに実家に帰り、友達の結婚式に出たのだが、その帰徒、例の大雪で新幹線に閉じこめられ朝帰りになってしまったのだった。
涼子の東京の家は池袋からさらに30分の大泉学園にあった。
「主人と子供はどうしているかしら、あの人は無きっちょうだからご飯たべたかしら」
と心配だった。

考えたあげくバッグから赤いケータイを取り出してなにはともあれと電源を押したが充電が切れていた。
「あたしってどうしてこうどじなんだ、もう」
低い声でつぶやいた。
電車は神田を過ぎ・秋葉原に止まった。
「秋葉原です、京浜東北線、総武線・つくば鉄道線・地下鉄日比谷線ご利用の方は当駅でお乗り換えです。」
田崎は運転席から秋葉原の街を眺めた。
「ここも変わったなあ、」

戦後ラジオの部品屋として発足した通称ジャンク街がTV・AVの発展と共に世界でも珍しい総合電気街に発展したのだった。
「3番線のドアが閉まります、次は御徒町に止まります」
ドアが閉まると田崎は
「御徒町延発2分」
「出発進行」
ここまできても品川駅延発はまだ取り返せなかった。

田崎は
「2分の延発、仕方がないよなあ」
と思った。
御徒町を過ぎて上野に到着した。
「上野です。東北線・常磐線・東北・上越・長野新幹線は当駅でお乗り換えです。
3番線の電車は当駅で時間調整のためにしばらく停車いたします」
上野駅から乗ってくる客は少なかった。
かって上野駅は田舎から上京してくる人の出世駅と云われていた。
急行「津軽」「十和田」など、東京への集団就職といわれた夜行列車は新幹線開業と共に消えてしまい、夜行列車はわずか北陸からの特急「北陸」だけという寂しさになってしまった。田崎はそんなことを考えていた.
上野駅の発車のサインはミュージックサイレンでなく、昔風のベルだった。かって国鉄時代は発車ベルだったが、山手線内はベルはなく、今では東京駅の東海道線の普通電車7,8番ホームと快速、遠距離電車特急寝台特急が発着する9番、10番線のベルを除いてほかの駅はソフトな特徴を持ったミュージックサイレンだった。

「お待たせしました。2番線のドアが閉まります」
ホームの頭上から女性の案内テープが流れてドアが閉まった。
田崎はマスコンレバーを強く引いた。
「速度60」
京浜東北線・山手線・高崎・東北線・常磐線と幾重にもレールが走っていて暗闇の中からヘッドライトを点けた電車が不意に近づいてきて賑やかになった。
電車は鶯谷・日暮里・西日暮里を過ぎて田端に着いた。
「2番線のドアが閉まります」
「田端2分延発」
田崎は喚呼しながら2分の遅れがまだ回復していないことにストレスを感じていた。

「池袋までなんとかしないとなあ」
低い声でつぶやきながら
「信号よおし」
「速度60」
田端から左にカーブすると下り坂になっていてすぐに駒込駅が見えてきた。
「駒込停車」
田崎は、停止位置にブレーキレバーを引いて電車を止めた。
数人の乗り降りがあり、辺りはようやく闇の帳から空が白みかけてきた。
電車は鶯谷・日暮里・西日暮里を過ぎて田端に着いた。「2番線のドアが閉まります」「田端2分延発」田崎は歓呼しながら2分の遅れがまだ回復していないことにストレスを感じていた。「池袋までなんとかしないとなあ」低い声でつぶやきながら「信号よおし」「速度60」田端から左にカーブすると下り坂になっていてすぐに駒込駅が見えてきた。 「駒込停車」
田崎は、停止位置にブレーキレバーを引いて電車を止めた。数人の乗り降りがあり、辺りはようやく闇の帳から空が白みかけてきた。対向の内回り電車も少しずつすれ違いが増えて来た。数人の乗り降りがあり、辺りはようやく闇の帳から空が白みかけてきた。

東京から乗った岸谷涼子は昨日の新幹線の大幅遅延で列車ホテルに変貌した車内でよく寝れなかったのか、可愛い寝息を立てて熟睡していたが、「次は、池袋です。埼京線、湘南新宿ライン、西武線・・・・・という車内の案内で目を覚まして、「いけない、乗り過ごすと主人に・・」と低くつぶやき、座席を立って眠そうな目をこすってあくびをしてドアに立つ。

「池袋、池袋ご乗車ありがとうございます、埼京線・湘南新宿ライン・西武線・東武東上線・地下鉄丸の内線・半蔵門線はお乗換えです。ご乗車ありがとうございました。岸谷涼子は、コートの襟を立てての左手の黒い手袋で赤いバッグを抱えるようにして「早く家に帰らないと」とつぶやくようにして西武線のホームに向かって階段を早足で下りて行った。

池袋駅は1日乗降客約160万人という新宿駅と肩を並べるマンモス駅なのだが、今は各ホームに明かりが点いて電車がホームに止まっていた。
2時間後には喧騒と悲鳴の起きることは想像もできない。
                                (未完)


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